南アフリカのワインが誕生したのは、今から350年以上も昔の1659年。オランダ東インド会社が、香辛料を求めてインドやアジアに向かう途中のケープタウンに食糧供給基地を設け、そこでブドウ栽培及びワイン造りを始めたのが最初でした。これは、アメリカ合衆国の1769年、オーストラリアの1788年と比べても100年以上も古い歴史があるという事になります。
17世紀後半には宗教迫害を受けケープ地方に移住してきたフランス・ユグノー派の人々がそのワイン製造を発展させました。20世紀後半にはアパルトヘイトによる国際的な経済制裁で一時期輸出は滞りましたが、1990年代の民主化以降、輸出は再び伸び始め、最近では国際的にも様々なワイン評価大会で高い評価を得ています。
1652年 | オランダ東インド会社が食糧供給基地をケープタウンに設立。 |
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1655年 | 初代ケープタウン総領事ヤン・ファン・リーベック(右写真)がブドウ栽培開始。 |
1659年 | 南アフリカ最初のワイン誕生。 |
1680-1690年 | 宗教的な迫害を受けた150名のフランス・ユグノー派の人々がケープに移住し、ワイン産業が発展する。 |
1886年 | フィロキセラ害(ブドウの生育に害を及ぼす昆虫による被害)。 |
1925年 | ピノノワールとサンソーを交配し、南アフリカ独自の品種ピノタージュが開発される。 |
1950年代 | 他のニューワールド諸国に比べて、いち早く低温発酵を導入。それにより、フレッシュでアロマティックな白ワイン製造が可能に。 |
1961年 | ピノタージュを使った最初のワイン(ヴィンテージ1959年)誕生。 |
1973年 | 原産地呼称(WO:ワイン・オブ・オリジン)制定。 |
1990年 | アパルトヘイト反対運動のリーダー、ネルソン・マンデラが27年間の獄中生活から釈放され、南アフリカワインが再び国際的に受け入れられるようになる。 |
1994年 | ネルソン・マンデラが大統領に就任し、民主化スタート。 |
1990年代 | 多くのワイン醸造家が、海外でのワイン生産の経験を積み、帰国後南アフリカワインの品質向上に貢献。 |
1998年 | IPW(インテグレイティド・プロダクション・オブ・ワイン:環境に配慮したワイン生産のガイドライン)導入。 |
2004年 | BWI(バイオダイバシティ&ワイン・イニシャティブ:生物多様性の保護とワイン産業の発展を目的としたワイン生産のガイドライン)導入。 |
2010年 | 「ワインの品質と持続可能性を保証した」シールの導入。 |
2012年 | 「ワイン法、自然環境、労働環境を遵守する」新しいシール発行。 |
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供給基地へ向かうオランダ東インド会社
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ヤン・ファン・リーベック
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1688年ユグノー移民の記念碑(フランシュック地区)
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1990年マンデラ氏開放される