「今日のひとり言」カテゴリーの日記一覧
- 2021.2.18
- 今日のひとり言
南アフリカのプレミアムワインが伸びている
南アフリカワイン協会の最近のレポートによると
同国のプレミアムまたはスーパープレミアムワインが急成長していると。
2020年はコロナの影響で3月末から4月末までの1ヵ月強の間
南アフリカワインの輸出禁止があったにも関わらず
最終的には数量ベースで前年比0.2%減
金額ベースでは7.7%増という結果になった。
特に金額ベースで増えている国は
英国(28%)、オランダ(19%)、スウェーデン(17%)、
米国(12%)などが含まれる。
更に南アフリカの代表的な品種であるシュナンブランと
ピノタージュは、それぞれ13%と12%の輸出額の伸びとなった。
ヴィラフォンテのマネージング・パートナー
マイク・ラトクリフは
「世界の消費者は南アフリカを洗練されたワインの生産国
という認識が強くなってきている。」と。
ヴィラフォンテは英国での成長は前年比30%増に達しようとしている。
一方で英国の輸入業者の一部では
「南アフリカの高級ワインの販売は依然簡単ではない」と。
ジェロボームのワイン・ディレクターのピーター・ミッシェルMWは
「20~40ポンドの南アフリカワインを12種類在庫しているが
その全てが順調に売れており、5年前に比べるとよく動くようになっている。」と。
「しかし、40ポンドを超えるとボリュームを売るためには試飲販売をしたり
高評価なものであるとか、個人客への努力とアプローチが必要であり、
消費者はまだそこまで興味を持っていない。」と。
<三宅コメント>
コロナ禍の中、輸出に関して、
これだけの数字を残したのは大健闘だと思う。
確かに昨年は南アフリカの生産者を助けようというキャンペーンが
イギリスを中心に世界で行われたことも牽引していると思う。
今後まだまだ世界市場での南アフリカワインの成長と
プレゼンスが見込める。
一方、南アフリカ国内のアルコール販売の禁止や制限は
輸出以上に規制が厳しかったので
この記事には国内販売の数字が出ていないが、
輸出よりも南アフリカ国内の販売シェアの方が多い生産者にとっては
厳しい数字になったのだろうと推測する。
●出典:the Drink Business: Top South African Labels Gaining Traction by James Lowrence
2021年2月17日
- 2020.6.23
- 今日のひとり言
南アフリカの古いセミヨンの不思議な話
今日は
世界不思議発見!
南アフリカのセミヨン編です。
#セミヨン
は17世期後半
オランダ人によって南アフリカに最初に持ち込まれた
ブドウ品種の一つ。
その後
19世紀前半には南アフリカのブドウの80%が
セミヨンだったと伝えられている。
当時のエース品種だったんですね。
実はそのセミヨンが
19世紀半ばには半数が
ピンク色のセミヨン・グリに変異していたとか。
現在は若干マイナー品種になっているが
南アフリカにはまだ古いセミヨンが残っている。
一番古いもので
#フランシュック
にある1902年に植えられた畑。
不思議なのは
通常グリーンのセミヨン・ブドウが
突然変異でピンク色になったり、
つまりセミヨン・グリになったり、
そして翌年またグリーンに戻ったり、
そんなことが起こっている。
こんな不思議な現象は
世界中探しても
南アフリカにしかないそうだ。
デカンター誌の記事の中には、
南アフリカはフランスなどに比べて暑く、
太陽の紫外線も強いので
ブドウ自身が身を守るために
色素を持ったのではないかと推測しています。
下の写真は、ブーケンハーツクルーフの
1936年に植樹されたセミヨンの畑。
左側がピンク色のセミヨン・グリ。
右側は通常の緑色。
もう15年以上前になるが
初めて
#ブーケンハーツクルーフ
のセミヨンを飲んだ時はショックだった。
フレッシュでありながら濃厚で厚みがあり
骨格もしっかりしている。
そして何層にも感じられる複雑味。
「こんなセミヨン初めて!」
だった。
実はこのセミヨン、
セミヨン・グリが混ざっていたのだ
(2017年ヴィンテージで12%程度混醸)。
それによってあの複雑さが表現されていたのだ。
実際はセミヨン・グリの赤い色素によって
僅かにタンニンが感じられる。
不思議で興味深い
#南アフリカワイン
の古いセミヨン。
歴史とミステリーに包まれた
そんなセミヨンは
#ブーケンハーツクルーフ や
#ダーマシーン で
体験して下さい。
↑ブーケンハーツクルーフのフランシュックにある
秘密のブッシュヴァイン・セミヨン畑(1936年植樹)
↑畑に立つブーケンハーツクルーフの醸造責任者
ゴッドフリード・モック
↑これが通常の緑色のセミヨン。