飲む人も造る人も幸せに。「マスダの南アフリカワイン専門店」では、環境にやさしい、社会貢献活動に力を入れた、高品質な数々のワインをご紹介しています。

南アフリカワイン日記

ポールクルーバー取扱25周年記念投稿&イベント情報

ポールクルーバーとの取引開始25周年

ということで思い出も含めて少し振り返ろう。

ポールクルーバーは、今の南アフリカワイン事業が始まった1999年、

一番最初に輸入を開始したブランドの一つ、

そして、これまでこの事業を牽引してくれた

ある意味で最も貢献してもらった

弊社にとっても最も大切なブランドの一つと言って良い。

一言では表せないが、同社には感謝しかない。

その後は、様々なブランドを増やし現在は南アフリカの45社と

取引をさせて頂いている。

 

一番最初の取引先なので、そのきっかけとして、

私個人の時代から振り返ってみる。

私は20代の頃、将来は地域開発(村おこし/町おこし/地域の活性)

の仕事をしてみたいと考えていた。

また、アジアやアフリカなど海外とも仕事をしてみたいと思っていた。

 

1995年、当時私は日本で大学生だった頃、海外との文化交流企画の

ボランティア・スタッフとして活動していた。

1995年と言えば、南アフリカでは前年の1994年4月に南アフリカ史上初の

全人種が参加した選挙でマンデラ氏が大統領に選ばれ、

南アフリカの民主化元年という歴史的な年の翌年、

私は、南アフリカのキッズ・ミュージカル・グループを日本へ招聘し、

文化交流で日本各地を回る企画にボランティア・スタッフとして加わっていた。

その時、私の人生を南アフリカに向けた運命の人となる

そのキッズ・グループを率いていた女性の音楽教師ヘンリー・トーマスさん

に出会った(写真下。1995年7月)。

彼女から「貴方は学校を卒業したら何をするの?」と聞かれ、

「アジアやアフリカの地域開発の勉強をしてから、将来そのような仕事をしたいなと思っている。」と伝えた。

彼女は「それなら南アフリカにも沢山大学あるし、南アフリカに来なさいよ!現地には沢山のプロジェクトもあるし、見学したり勉強の材料は沢山あるよ。」と。

留学なんて、普通はアメリカとかイギリスとかやろ!と当時は考えていたが、

彼女の一言で私は思いつきもしなかった南アフリカ行きに興味を持ち始めた。

そして翌年1996年10月に南アフリカに渡り、「まずは南アフリカの貧しい地域から知らんとアカンやろ」と思い、

昨年日本に来たキッズ・グループの家(行政首都プレトリアの郊外の黒人居住区「アタリジビル」)で

半年間ホームステイをさせてもらった後、1997年春からケープタウン大学の教育学部大学院に入学し

3年間を過ごした。

 

それから1999年2月、ケープタウン大学在学中に

「ポールクルーバーというワイナリーが、黒人の労働者の生活向上や地域の発展の為に「タンディ」というワイン・ブランドを立ち上げ、サポートしている」という話を知り、早速見学させてもらった。

その時私を案内してくれたのが今回も来日するリーズルさん(ポールクルーバー家族の3女。写真下)だった。彼女に案内をしてもらい、「こんなワインが日本で販売出来たら、南アフリカの人も日本の人も皆HAPPYになれるかも?」と思い、南アフリカワインを日本に輸入する計画を考え始めた(その時は友人と二人でこの事業を始めた)。

当時私は、ワインに関してはただの素人だったので、ワインを飲んでその品質を判断できるような力はなかった。ということで、知り合いを伝って日本の何人かのソムリエの人達にこのワインを飲んでもらおうということで、現地から何本かのサンプルを日本に送った。

その後、「良い」という前向きな評価を頂き、ワインを本格的に輸入する事業をすることになった。

私はポールクルーバーを再度訪問し、このタンディというワインと一緒にポールクルーバーのワインも輸入したいという旨を当時の社長、ドクター・ポールクルーバー氏(現会長/上の写真)の社長室で伝えた。「私達はお金もないし、今はソーヴィニョンブランだけを100ケース(600本)しか買えないが、日本で頑張って良いブランドに育てていきたいので、日本市場の独占輸入権も下さい。」と、お願いをした。たった100ケースというボリューム、今から考えると恥ずかしいくらいの少量でお願いだけは「日本市場の独占」という大きなものだったが、ドクターからは「頑張ってください。」と、その場で良い返事を頂いた。

 

そして、1999年12月、初めてのポールクルーバーが日本に到着し販売することになった。しかし、私達のワイン事業は個人の小規模なものだったので直ぐに資金が尽き、最終的に私は2001年7月に今のマスダに入社し、南アフリカワインの輸入事業を担当することになった。

始めは「3年頑張って無理やったら諦めよう」と思って始めた事業だったが、「飲んでみると意外に美味しい。」というお客様の声を頂くようになり、少しずつ取引先は増えていった。従って、3年経った時はもう少し続けてみようと思い、2004年頃には、「2010年FIFAサッカー・ワールドカップ・南アフリカ大会」が決定し、その時には「このワインは止めたらアカン。これはまだ伸びるぞ、物凄いポテンシャルあるワインや」と、自信/確信が持てるようになった。(※タンディはその後、取引を中止した。)

 

それから25年。

南アフリカワインは「アフリカでワイン出来るの?」とか、「飲んでみたら意外に美味しい」とか、当時はネガティブな声も沢山あったが、最近では「南アフリカワインって美味しいですよね。」と、お客さんから言われることも多くなり、褒めてもらえるようになった。

その中でも「ポールクルーバーを飲んで南アフリカワインが好きなった」という声をこれまで多く頂き、ある意味で、同社のワインは日本の南アフリカワイン市場の開拓者的な存在にもなった。

 

 

そして2022年からポールクルーバー側にとっては「日本市場が海外市場の最大のマーケット」になった。

1999年にソーヴィニョンブランをたったの600本の輸入から始まり、今は全品種を輸入し、日本が世界一の市場に。後から聞いたことだが、ポールクルーバー側にとっても、「日本は最初の海外マーケットのお客さんで、かつ、日本市場は最初から今まで輸入元が変わることなく、ずっと同じ会社、同じ人に扱ってもらっている」と。

後から知ったことだが、南アフリカワインの歴史では、1997年12月に今のKWVがこれまで国立の協同組合的な役割だったのが民主化し、各ワイナリーも自分で海外市場も開拓していかなければならない時代になった。ちょうどその時に私は「日本輸入独占権を下さい!」とお願いに行っていたわけだ。

いいタイミングだった。

ということで改めて

ポールクルーバーのまとめ

「エレガンス、バランス、テロワールを表現すること」

ティムアトキンMW南アフリカワイン格付2015-2020年、2022年に1級生産者。

動画(フェイスブック:3分8秒)

 

1)家族

ポールクルーバー家の結束力、良いもの/品質へのこだわり、人・環境・地域への想い/愛。

リンゴ産地で冷涼なエルギン地区で初めてワインを生産し、「エルギン=南アフリカの高品質ワインの産地の一つ」というブランド地区に育てたパイオニア家族。

 

2)冷涼地区エルギン&高品質ワイン

ポールクルーバーのあるエルギン地区は、海の近くにあり(=冷涼)、周りは山に囲まれ(高い標高)、湿った冷たい海風が山に当たることで雲が出来やすく(=冷涼)、これらの要因により、南アフリカのワイン産地の中で最も平均気温が低い。冷涼な気候により、ブドウの酸をしっかりキープしながら、長い生育期間により香りや風味が豊かなブドウが育つ。従ってポールクルーバーは、冷涼地区エルギンらしい酸味と果実味、エレガンスを持つ南アフリカで最も人気のあるブランドの一つとして知られている。南アフリカワインの歴史は1655年の植樹から始まったが、この地区は今でもリンゴ産地で有名な地域。これまでは、ワイン用ブドウにとっては寒すぎると思われていたが、ポールクルーバー家が1980年代に最初にワイン用ブドウを育て、素晴らしいワインが出来上がって一気に「ブーム」的な産地になった。

3)サステナブル:自然環境と地域(次世代/未来の為に)への貢献

・環境:ポールクルーバーの敷地は約2000ha(東京ドーム約430個分)で、その60%が、ユネスコの世界自然遺産に指定されている。従ってポールクルーバー家では、昔からこの豊かな植物や野生動物を守る環境保護活動にも熱心に取り組んでいる。
・畑:環境再生型農業による活きた土壌造り、水の管理
・セラー:リサイクル、ソーラーパワー利用
・教育:学校支援。リーズル達のお婆さんが「労働者の子供達にも教育を」ということで自費を費やして敷地内に学校を建設。1957年、23名の生徒から始まり、現在は1300人の生徒の政府認定の小中学校になった。関連記事

・地域貢献:HOPE支援。敷地内でコンサートをボランティアで運営。チケットの売上を地域の支援施設に寄付している。

 

◆2024年7月ポールクルーバー来日に関するイベント

マーケティング・ディレクター、リーズルさん来日

★印:プロ向けイベント、◎印:一般向けイベント

★24:マスダ試飲会(東京)

★25:マスダ試飲会(東京)

◎27:試飲販売会@アフリカー(東京) チケット完売

◎28:12-15時。ポールクルーバーワイン試飲会@Nodino(東京/神楽坂)。参加費税込8800円

★29:マスダ試飲会(大阪)

◎29:ワイン会@みたまり酒店(東大阪)

★30:京都ワインコンプレックス出展@ホテル・グランヴィア京都(京都)

 

 

これまで支援して頂いたポールクルーバー、日本の取引先やお客様、社内外の多くの皆様に感謝申し上げます。

「飲む人も造る人も幸せに」

この事業立ち上げの時から

そしてこれからも

この想いを大切に尽力してまいります。

 

㈱マスダ南アフリカワイン事業部

三宅 司

ページの先頭へ