- 2016.12.17
- 今日のワイン
最近の南アフリカワインについて思うこと(7)ピノタージュ
この品種、1925年に南アフリカで、
ピノノワールとサンソー(南アフリカではエルミタージュと呼んでいた)を交配させ、
「ピノ+タージュ=ピノタージュ」が誕生した。
ということで、他国と比較することは出来ない。
また、新しい品種なので歴史は浅く、南アフリカ国内でも実際に産地や作り手によって
様々なタイプのピノタージュが存在し、実験が繰り返されている。
従って、「一体どれが本当のピノタージュ?」と思ってしまうほど幅も広い。
それでも、ピノタージュと言えば、
カノンコップやデヴォールなど、ステレンボシュ地区の伝統的な生産者のピノタージュを
まずは基本と考えるべきだろう。
一方、ケープ・サウスコーストなど冷涼な地区では、
ピノノワールのような淡くて透明感のあるピノタージュも生産されている。
また、スワートランド地区のデイヴィッド&ナディア、Bヴィントナーズのピノタージュなどは、
その両方の中間的なタイプと言えるかもしれない。
他には、パール、トゥルバッハなど、比較的内陸の温かい地区では、
濃厚で少し甘みもあるピノタージュも生産されている。
ピノタージュの特徴をまとめると、
・比較的は色は濃く、香りもしっかりある。
・軽過ぎず、重すぎず、ミディアムボディの物が多い。
・ピノノワールに近い軽めのものから、濃厚でしっかりしたものまである。
・グラスもタイプによって、ブルゴーニュ・グラスやシラー/シラーズ・グラスなどを使い分けると良い。
・若いヴィンテージのフレッシュ&フルーティで、ジューシーな状態でも楽しめるし、熟成してからも楽しめる。
・南アフリカでは、ピノタージュは女性に人気の品種で、日本でも比較的女性の支持が多いです。
フルーティで飲み易いものが多いからかもしれませんね。
・料理の幅も広く、スパイシーな物にも良く合う。
南アフリカでは、ダチョウのお肉にピノタージュが合わせられたりしますが、
日本ではダチョウを食べる機会はかなり少ないだろう。
私のお薦めは、カレーライスにチーズをかけてピノタージュ。
その他、ミンチ肉との相性が良く、ボロネーゼ、ミートボール、ハンバーグ、ミンチカツなどをお薦めする。
ピノタージュを知るには、まずは基本を抑えて、
その次に他の様々なタイプのピノタージュにチャレンジするのが良いと思う。
そして、将来、また新しいタイプのピノタージュが生まれるかもしれない。
ということで、今後も注目していきたい品種である。