飲む人も造る人も幸せに。「マスダの南アフリカワイン専門店」では、環境にやさしい、社会貢献活動に力を入れた、高品質な数々のワインをご紹介しています。

南アフリカワイン日記

エルギンのテロワール

南アフリカは、基本的に温かい土地。

美味しいワインを作るには、美味しいブドウを作る必要がある。

美味しいブドウを作るには、冷涼な気候というのが大切な要因の一つです。

それは、冷涼だとブドウの成長がゆっくりになり、その分、

ブドウのハンギングタイム(ブドウの房が繋がっている時間)が長くなります。

結果として、それだけ栄養分の沢山詰まったブドウが出来上がります。

また、冷涼な気候のブドウほど、酸もしっかりしていて、エレガントなワインになります。

ということで、南アフリカでは冷涼な気候というのが美味しいワインの大事なキーワードになります。

 

では、実際にどこが冷涼な地区かと言うと、

①海沿いの産地

②標高の高い所

になります。

ワイン産地マップ参照:

https://masuda.southafricawine.jp/about/?page_id=12

 

その中でも南アフリカワイン産地で最も冷涼と言われるエルギン地区があります。

エルギンは、元々リンゴの産地で、林業も盛んな地域です。

リンゴは涼しい所で育つ果物ということからもこのエリアが涼しいことが分かります。

エルギンの代表的生産者のポールクルーバーも、今はワインで有名ですが、

実は巨大なリンゴ農園と加工工場を持っているリンゴ生産者でもあります。

 

このエリアで一番最初にワイン用のブドウ栽培を始めたのがポールクルーバーです。

そのブドウをかつては、ネダバーグ社に納めていました。

ネダバーグ社でもポールクルーバーのブドウを「エルギン産」として、

別のタンクに分けてワインを作ってみたところ、とても良いワインが出来たそうです。

 

実は、当時ネダバーグ社でワインを作っていたのが、

今のポールクルーバー社の醸造家、アンドリースです(写真下)。

Andries-Burger-Winemaker

その後、アンドリースは、ポールクルーバーの長女と結婚し、

ポールクルーバーでもワインを作ることになりました。

それが1996年。ちょうど今年がポールクルーバー社がワインを作り始めて20周年になります。

 

その後のポールクルーバーワインの活躍はご存知の通り。

デカンター・ワールドワインアワードで、シャルドネ、ソーヴィニョンブラン、

ゲヴェルツトラミネールにリースリングと、4品種でトロフィ(世界一)を受賞するという

快挙を成し遂げました。

 

エルギンのパイオニア、ポールクルーバーの活躍で、

エルギンは、南アフリカワインの代表的産地になり、ポールクルーバーに続けと、

今では30社以上のワイナリーが存在し、

また、他の地区でも「エルギン産」のブドウを使ったワインを生産するようになっています。

日本で言えば、「魚沼産」コシヒカリみたいに、エルギンは有名な産地になりました。

ということで、ポールクルーバーは、エルギンを有名にしたパイオニアなのです。

 

エルギンの冷涼な気候の理由は、

①海に近いこと

②標高も200-600m程度あり、

③地形的には、盆地になっていて、海からの湿った風が周辺の山にあたり、

雲が出来て、この盆地を覆うのです。従って、直射日光を遮ることで、冷涼に保たれています。

下記の写真のまだら雲がエルギンらしい空の様子です。

エルギンの雲

隣のステレンボシュからエルギンに来たとたん、空気がひんやりします。

完全に曇りの日は、夏の日でも寒くなるし、夜は本当に寒いです。

こうして、美味しいブドウが出来るんですね。

ということで、エルギン産のワインを飲んで冷涼な気候を感じて下さい。

 

エルギン地区のワイン:

https://masuda.southafricawine.jp/about/?page_id=12#chiku19

 

ポールクルーバーのワイン:

http://southafricawine.jp/?mode=cate&csid=0&cbid=2018261&sort=p

 

※写真提供:ポールクルーバー

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